HTMLに関して

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N0.1 WISWIGの嘘(02.10.24) - No.2 等幅フォントとプロポーショナル フォント - No.3 ブラウザ選び
今後取り上げる話題

N0.1 WISWIGの嘘 [NEXT]

世の中にはWEB作成のための便利なソフトウエアが多数流通しています。いろいろな人のサイトをのぞきに行ってもHome Page Builder、Front PageやPage MillなどといったWEBツールで作成した物が多く見られます。これらのツールを使うと実際に画面上に文字や画像を表示させ、それらを自由に配置してサイトを作っていくことが出来ます。「画面で見たままの物が得られる」といううことで、英語で "What You See, What You Get" の頭文字を取ってWISWIGと呼びます。

これらの WISWIG 型のソフトを使用すると、HTMLやスタイルシートに関する知識が無くても短時間で見映えの良いサイトを作ることが出来て、なかなか便利なのは事実です。そのようなソフトのあるおかげで特別コンピューターには詳しくないけれど、特定の「なにか」について詳しい人が、自分のもっている知識や情報をインターネット上に公開する事が容易になったため、有用な情報が多く流通することになったのは間違い有りません。また、このようなソフトを上手に使って意匠を凝らしたサイトは、上手く表示出来ていれば見て楽しい物です。

ところが初心者がこのようなソフトを使った場合、陥りやすい失敗として、自分のPCできちんと表示出来ているのでそれでOKだと思い込んでしまうことがあります。現在では多くの人が Windows 系のPCを使用し、解像度は少なくても1024×768 ドットフルカラー表示可能で、ブラウザはパソコンに最初から搭載されているInternet Explorer を使っているようです。しかしまだ Machintosh ユーザーも少なくありませんし、少し古いパソコン(特にノート)で 800×600 ドットしか表示出来ないものもあります。汎用ソフトと比べて販売量の少ない、特定業務専用に開発されたソフトはヴァージョンアップの間隔が長いので、中には 256 色モードでしか動作しないものが未だに使われています。ですからPCを仕事にも使っている方の中にはフルカラー表示を出来るパソコンでも 256 色で見ている場合が実際にあります。

同じOSで同じブラウザを同じ解像度の画面で使っていても、OSのコントロールパネルやブラウザの設定でのフォントサイズを変更している場合と、すべて出荷時の初期設定のままで使っている場合とでは見え方が異なってきます。またブラウザウインドウのサイズ次第で画面の表示結果が著しく変わる場合も珍しくありません。ましてブラウザが違う場合、あるいはOSから違う場合どうなるか、を予想することはほとんど不可能です。

最近のWEB作成ソフトは絶対座標を使って図や文字を配置するものがありますが、これは画面のドット数やフォントの設定によっては、ひどく表示が乱れ最悪の場合は画面の一部分が全く読めなくなります。自分のWEBを見に来る閲覧者の全てが『1024×768ドット以上の解像度で Internet Explorer 5.0 以降を使ってフォント「小」に設定して見ている』という訳ではないということは頭に入れておくべきです。

初出 2001年11月15日 / 最終改訂 2002年10月24日
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N0.2 等幅フォントとプロポーショナル フォント [NEXT]

ワープロは普及する前、日本語でまとまった文章を書く場合は手書きで原稿用紙に書いていました。原稿用紙にはマス目が引かれていて、1文字はかな、漢字、句読点関係なく同じく1マスを使います。もちろん字画が多くて複雑な文字だからといって大きく書くということも普通はしません。一方欧文では古くからタイプライターを使っていましたが、タイプライターの活字は文字によってその占有する幅が違います。l(小文字のエル)やiのような文字は幅が狭くWやMはそれなりに広いスペースを使います。前者の字幅一定のフォントを等幅フォント、後者の字幅可変のフォントをプロポーショナルフォントと言います。

活字を組む印刷物では行の区切りが不自然にならない様に活字の間に適当に詰め物をして字間を調整する事が行われてきたようです。最近のパソコンに搭載されているWEBブラウザでは、初期設定で原則的にWEBサイトの文字はプロポーショナルフォントで表示します。メールソフトでも初期設定がプロポーショナルフォントの製品もあるようです。

パソコン通信で画像情報の転送が困難だった時代、文字を組み合わせて画像を作る技法が流行りました。広く使われている英文の文字コードがASCIIコードと呼ばれることから、この「文字絵」を「アスキーアート」と呼んでいます。しかし等幅フォントで作った物をプロポーショナルフォントで見ると位置がずれてしまいます。電子メールなどで、今でもこのアスキーアートを使う人は居ます。もし受け取ったメールなどにずれた絵模様らしきものが入っていたら、等幅フォントを使って表示出来る環境(Windowsならメモ帳など)に貼り付けてみるとうまく見えるかも知れません。

初出:2001年11月22日 / 最終改訂:2003年04月03日
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N0.3 ブラウザ選び [NEXT]

現在WindowsまたはMacOSで使用されているブラウザの多くはIntenet Explorer(IE)かNetscape (Communicater または Navigator) であるといえるでしょう。もちろんそれ以外のブラウザも少数ながらユーザーがいます。HTMLの本質はマークアップ言語であって「ブラウザで表示させるためのソース言語」という考え方は間違いなようです。そのような立場に立つ人たちは市中で使われているブラウザがどのように表示するかなど構わず、「正しい」マークアップを行えばよい、と主張しています。

この主張、一見もっともらしいのですが、なにか根本的なところで間違っている様な気がします。HTMLがマークアップ言語であるのは事実で、そこは間違っていません。では何のためにHTMLを書くのでしょうか?もしマークアップされた文書を作成することそのものが目的なら、ブラウザの見映えなど考えず正しいマークアップに努めれば良いでしょう。しかし、インターネット環境を通じて閲覧して貰うことを目的にWEBサイトを公開するなら、閲覧者が快適に読むことが出来る、ということが何より大事だと思います。もちろん正しいマークアップに心がけるのは無意味なことではありませんが、たとえ正しいマークアップでも実際に多くの人が使っているブラウザで見苦しい表示しか出来ないのでは本末転倒と思います。もちろんこれらのグラフィック対応ブラウザ以外で見てもきちんと情報が得られるサイトを作るのは意味のあることです。

現在のところ「にゃんた/なた」の作っているサイトには自己満足とごく内輪の仲間内を意識したコンテンツしか有りませんので、あまり難しく考えずNetscapeとIEの2つのブラウザでほぼ「まともな」見え方をする様に意識しつつ、自分の「勉強」としてなるべく「正しい」HTMLを書くように努力しています。

ところで、Netscape Navigator(NN)の4.xはCSSの解釈にバグが多く使い物にならないという評判を良く聞きます。一方それに較べてIEは4.0以降で概ねCSSを正しく実装しているので、「正しいマークアップ」を強調される方々のなかには自分のサイトはNetscapeではスタイルシートをカットしないと閲覧出来ないと主張されたり、ブラウザを判定してスタイル情報を完全にカットして表示するように設定している人たちもいます。外部スタイルシートを読み込む際にちょっとしたおまじないを加えることでNN4.xがそのシートを無視するという仕様(?)を逆手に取ってNN4.xに「安全な」部分とそうでない部分を分離してしまう、という技も知られています。私も一部でそれを使っています。NNの問題点についてはまた別に項を設けて詳しく論じようと思います。

 それではIEは本当に正しくCSSを実装しているのでしょうか?これは私がCSSを正しく理解していない為である可能性も否定出来ませんが、IEの5.0/5.5では<DIV>などのブロック要素に対するフォントの属性(色、サイズなど)やマージンの設定がブロックを閉じた後も「継承」されてしまう場合がある、という致命的なバグがあるように思われます。これはかなり迷惑なことです。フォントは次のブロックで改めて指定し直すことである程度回避出来ますが、マージンの問題はこちらの頭が対応しきれません。

初出:2001年11月28日 改訂:2002年11月15日 
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Latest Update: 2005/11/15

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